2005 Fiscal Year Annual Research Report
疲労き裂を生じた溶接接合部のCFRP板による応急的な補修工法の開発
Project/Area Number |
17760377
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中村 一史 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (70264596)
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Keywords | CFRP板 / 補修 / 疲労 / 溶接継手 / 積層 |
Research Abstract |
平成17年度は、面外ガセット継手の回し溶接部から発生した疲労き裂を補修の対象として,疲労試験による実験的な検討を行った.CFRP板の接着による貼付方法については,適切なCFRP板の積層数を検討するために,積層数を1,3,5層と変化させて補修を行った.また,補修後の余寿命を評価するために,クラックゲージを用いてき裂の進展速度を計測した.これらについて実験的に検討した結果からは次のことがいえた. (1)CERP板の積層数が増加するほど,補修後から試験片が破断するまでの余寿命が大幅に延命化されることが解った.また,積層数を5層とすれば十分な補修効果が得られることが確かめられた. (2)CERP板の積層数が1,3層の場合,試験片の全幅に対して60〜65%程度まで進展すると剥離が生じること,また,5層とすれば破断の直前までCFRP板が剥離しないことが解った.したがって,CFRP板の積層化は剥離防止に対して有効であることが確かめられた. (3)提案したCFRP板の貼付方法によればき裂開口部の中心付近で軸方向力が効率的に伝達されること,また,CFRP板の積層化によって銅板に作用する応力がより低減されることから,補修効果が高められたと考えられた. (4)CFRP板の積層数を5層とした実験シリーズは余寿命が1,200万回を超えるものの,対象とした応力範囲からは疲労限は得られなかった.したがって,き裂の再発生を防止するまでには至らないため,提案した補修方法は延命化のための応急的な対策として位置づけられた. さらに,ストップホール法など,他の補修工法や,それらの工法を併用した場合について,補修効果を比較検討するために実験を継続中である.
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Research Products
(2 results)