2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760455
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
向井 洋一 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70252616)
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Keywords | 制震構造 / 免震構造 / 摩擦ダンパー / 連結制震 / 負剛性 |
Research Abstract |
本研究計画では、負の剛性を持つ連結材が必要な連結振り子方式や隣接建物連結方式を想定した制御系において、擬似的に負の剛性効果を再現できるようなパッシブ型エフェクタとして、新たに「指向性反発型制震ダンパー」を開発することを目指し、初年度は以下の研究項目に着手した。 1.負の剛性を必要とする連結振り子系を免震建物へ複合設置したハブリッドシステムを想定し、数値シミュレーションによりその制震効果を検証した。負の剛性を持つエフェクタを内蔵した連結振り子ダンパーを用いれば、上部構造物系が比較的柔で免震の適用には不利な場合においても免震効果が改善可能であることを確認した。また、このような連結振り子の応用型免震系に導入する「指向性反発型制震ダンパー」に要求される性能を定量的に評価した。 2.木質構造のように仕口部において比較的大きな変形性能を有する構造システムの耐震補強用として負の剛性効果を持つエレメントの利用を想定し、変形能力を低下させずに減衰性能を向上するような制震手法の可能性に着目した。そこで、「指向性反発型制震ダンパー」を木質構造へ適用した場合の有効性を検討するために、木質構造の実大加振実験データの集積と振動性状の分析調査を実施した。 3.指向性反発機構の試作のために、各種ベアリングやダンパーに関する資料収集調査を実施し、自転車のペダルに利用されているベアリングを利用し、押し引きの滑り抵抗に指向性を持たせるような指向性摩擦機構の実験用試験体の設計・試作を行った。大阪大学大学院工学研究科の制震システム検証用振動台を利用した予備実験を実施し、ダンパーの駆動性状と擬似的な負剛性効果の再現性について検証を行い、現段階の試作モデルにおける問題点を調べ、次年度において試験体に改良を加えるべき箇所について検討を行った。
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Research Products
(2 results)