2005 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境に配慮した高反射率塗料による熱負荷軽減技術の開発
Project/Area Number |
17760460
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (90277830)
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Keywords | 日射反射率 / 高反射率塗料 / ヒートアイランド / 分光反射率 / 都市環境 |
Research Abstract |
建築材料の日射反射率の算出時における誤差要因の評価を行った。近年,日本各地の大都市では,ヒートアイランド現象と呼ばれる気温の上昇が顕著となり,真夏日,熱帯夜日数とも増加の一途にある。都市の居住環境は著しく損なわれおり,早急な対策が必要であるとされている。本研究では,ヒートアイランド現象の軽減技術の1つとして注目されている高反射率塗料による熱負荷軽減技術の開発を目指している。高反射率塗料による熱負荷軽減技術とは,日射反射率の高い塗料を建物外皮や道路等に使うことで,日射を効率よく天空に反射し,地表面がうける日射熱量を軽減するというもので,ヒートアイランド現象の直接的な原因である地表面の温度上昇を抑制することができる。しかし,その効果を定量的に評価するためには,各素材面の日射反射率の正確な測定が欠かせない。そこで,研究期間の初年度にあたる本年度は,分光反射率測定に基づく日射反射率の算出時における誤差要因として,分光反射率の測定条件,および,気象条件の違いによる日射分光分布の変化を取り上げ,算出方法の違いによって,どの程度の誤差が生じるかを検討した。その結果,分光反射率の測定においては,反射率の基準となる白色板の校正が欠かせないこと,日射分光分布については,直達日射と天空日射との分光分布が大きく異なるため,従来省略されることが多かった天空日射成分は無視できないことを,明らかにした。これら誤差要因は,これまでに十分な検討がなされてこなかったが,とくに,反射率が50%を下回るような塗面で誤差が大きくなる傾向がみられた。
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