2006 Fiscal Year Annual Research Report
少子化対策のための保育関連施設の利用実態調査・分析に基づく施設整備計画手法の提案
Project/Area Number |
17760501
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岸本 達也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30302532)
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Keywords | 保育施設 / 幼稚園 / 配置計画 / 交通手段 / 最適配置 / 地域計画 |
Research Abstract |
本研究は、仕事と育児を両立しなければならない共働きの世帯をはじめ、若年世代の生活を支える保育関連施設の、地域・まちのレベルでできる、効果的な施設システム在り方を明らかにすることを目的とする。保育所(園)、保育室、幼稚園、子育て支援センター、児童館等々の、所管の異なる施設について、それぞれ利用実態を調査し、その地域的な特性を明らかにする。さらに多様なライフスタイルとワークスタイルとその指向性、施設サービスニーズとその空間的、地域的特性を明らかにし、今後に整備すべき施設やそのネットワーク、およびその配置、サービス・ネットワークのあり方について検討する。18年度は、1.保育施設と幼稚園との混在の在り方、および2.自宅から保育所までの通所、自宅から幼稚園までの通園、さらには保育所から職場までの通勤までのパーソントリップに着目した施設整備と公共交通機関の在り方について、の2点について検討した。まず保育施設および幼稚園の経年的な施設整備の順序およびそれによって生じる地域的な偏りについて調査を行い、その傾向を分析した。全国的に見ても保育施設の多い地域、幼稚園の多い地域には偏りがある。その経緯については十分明らかではないが、全国的に見て保育所は幼稚園と比べて需要超過の状態にある。その偏りが地域的な需要と供給のアンバランスを生む原因となっていると考えられる。横浜市・川崎市を対象に、保育所等の保育施設および幼稚園の現状の配置とそれぞれの規模、設置年を調査し、その経年的な変化と待機児童数の推移との比較から需要と供給の偏りについて分析を行った。結果として保育施設と幼稚園の配置の偏りによって問題が生じている可能性があることを確認した。また、施設までの送迎と通勤行動、その交通手段を考慮した施設配置の在り方について検討を加えた。今年度は基礎的研究としてSPACESYNTAXの概念を用いて地域的なアクセシビリティの高さを表す指標、交通量を推定する指標を検討し地域特性を明らかにする手法を提案した。
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Research Products
(1 results)