2006 Fiscal Year Annual Research Report
温水処理を伴うゾルーゲル法による層状複水酸化物薄膜の直接合成
Project/Area Number |
17760546
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90244657)
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Keywords | 層状複水酸化物 / ゾルーゲル法 / 温水処理 / 陰イオン交換体 / 薄膜 / 炭酸イオン / スピロピラン / インターカレート |
Research Abstract |
層状複水酸化物(LDH)は、様々な陰イオンを層間に挿入できることが知られている陰イオン交換体である。このLDHは通常、沈殿として作製されるが、コーティング膜として様々な基材の上に形成できれば、LDHの応用が広がることが期待される。 本年度は、前年度に得られた知見をもとに、Zn-Al系LDH薄膜の組成や温水処理温度が結晶析出に与える影響、様々な有機アニオンが挿入されたZn-Al系LDH薄膜の形成、Mg-Al系およびNi-Al系LDH薄膜の作製について検討を行った。 Zn-Al系LDH薄膜の作製において、様々なZn/Al比を有する前駆体アモルファス膜を作製し、温水処理を行ったところ、Zn/Alの比が1のとき、最も多くのLDH結晶が析出することがわかった。また、温水処理温度を60℃とした場合は、100℃の場合と比べて比較的小さなサイズの微結晶が密度高く析出し、透明なLDH薄膜が得られることがわかった。 温水処理の溶液に様々な有機塩を溶かすことによって、様々な有機アニオンが挿入されたZn-Al系LDH薄膜が形成できた。スルホン化されたスピロピラン分子を含む温水処理した場合、x線回折測定の結果、2.658mmの層間隔に対応するピークが観察され、スピロピランが挿入されたLDH薄膜が形成されたことを確認した。 MgO-Al_2O_3系薄膜を作製し、この膜の温水処理によるLDHの析出条件の検討を行ったところ、中性条件下ではLDH結晶の析出は観察されなかったが、pH=12のNaOH溶液を用いて温水処理をおこなったときに最も多くの結晶が析出することがわかった。
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Research Products
(2 results)