2005 Fiscal Year Annual Research Report
ニオブ・スズ複合超伝導線材の特性に関する材料力学的研究
Project/Area Number |
17760554
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西島 元 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30333884)
|
Keywords | 実用超伝導線材 / ニオブ・スズ / 応力 / 歪依存性 / 極低温 / 強磁場 |
Research Abstract |
平成17年度は実用超伝導線材の臨界電流の応力/歪依存性を評価するための装置(強磁場極低温機械特性評価装置)の設計と製作を行った。装置は東北大学金属材料研究所附属強磁場超伝導材料研究センターに設置されている18テスラ超伝導マグネットに合わせて設計し,材料は非磁性のステンレスと真鍮を主として用いた。設計にあたっては岩手大学工学部の片桐教授に助言を頂き,てこを利用して超伝導線材を引っ張る構造とした。てこの力点に作用させる応力をロードセルによって測定する事で試料に印加される応力を評価する。歪は,試料線材を取り付けた電極間の距離の変位をクリップゲージによって測定する。直径52mmの超伝導マグネットボア内に歪印加機構を収納するために設計・製作には時間を要した。歪を測定するためのクリップゲージは極低温用を特注して用いた。現在,装置の立ち上げ作業中である。 装置の設計・製作と並行して実用ニオブ・スズ超伝導線材の歪効果についての研究も行った。ニオブ・スズ線材に横方向(線材軸と垂直方向)に圧縮応力が印加されたときの特性劣化について,小コイルを製作して実験で調べるとともに,有限要素法を用いた応力解析を行って調べた。その結果,実用ニオブ・スズ超伝導線材における中心補強の有用性を示す事ができた。また,事前曲歪効果(室温で繰り返し曲歪を与えることで超伝導特性が向上する効果)をコイルや撚線に応用することにも取り組んでおり,これらの実験結果について国内学会,国際会議で発表した。
|
Research Products
(3 results)