2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による強磁性金属および化合物半導体ナノワイヤーの作製
Project/Area Number |
17760581
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大貝 猛 長崎大学, 工学部, 助教授 (60253481)
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Keywords | ナノワイヤー / テンプレート / ポリカーボネート / メンブレンフィルター / 電析 / 鉄族金属 |
Research Abstract |
ナノワイヤー作製の為のテシプレートとしてポリカーボネート製メンブレンフィルター(孔経:100〜150nm,深さ:6000n,孔密度:10^8pore/cm^2)を使用した。厚さ約100〜200nmの金薄膜をメンブレンフィルターの片面にスパッタコーティングし電極とした。Ni浴(NiSO_4:120g/L, H_3BO_3:45g/L),Co浴(CoSO_4:120g/L, H_3BO_3:45g/L)およびFe浴(FeSO_4:120g/L, H_3BO_3:45g/L, pH2)を合成した。ナノワイヤー析出の最適電位領域を決定するために,各々の浴で分極曲線を測定した。その結果,ナノワイヤーとして電析可能な電位領域は-0.8V〜-1.5V付近であると推定された。定電位法によりナノワイヤーを電析成長させ,この際,電流の経時変化を測定し,ナノワイヤーの成長過程を追跡した。Niの場合,-0.9Vの電位では,ポア中への充填時間が極めて長く,約3000secを要し,成長速度は2.0nm/sec程度と推定された。一方,-1.2Vの電位では,充填時間は約300secであり,成長速度は20.0nm/sec程度と推定された。金スパッタ薄膜上に配列しているナノワイヤーのみを観察するために,有機溶媒によりポリカーボネートのメンブレン部分のみを溶かして電子顕微鏡観察用の試料とした。SEM像から電析ナノワイヤーの直径や長さを測ったところ,テンプレートであるメンブレンフィルターのポアー形状と一致しており,高アスペクト比のナノワイヤーが均質に成長していることが判明した。また,TEM明視野像から,ナノワイヤーの直径は120nm程度であることが明らかとなった。さらに,SEM電子線回折のスポットパターンから,Ni, CoおよびFeナノワイヤーの何れについても単結晶組織であることが判明した。
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