2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770067
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
東城 幸治 信州大学, 理学部, 助手 (30377618)
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Keywords | 新昆虫目 / カカトアルキ目 / 比較発生学 / 系統 / 系統進化 / ガロアムシ目 |
Research Abstract |
2002年に、新昆虫目として、アフリカ大陸南部において発見・発表されたカカトアルキ目に関し、比較発生学的アプローチから、この新昆虫目の系統学的な位置づけ、ならびに系統進化に伴う体制の変遷に関する議論を行った。 生息地である南アフリカ共和国内でのサンプリングにおいて、本研究代表者らが2003年に新種記載したカカトアルキ2種Karoophasma biedouwensis, Hemilobophasma montaguensis(いずれも南カカトアルキ科)を採取し、飼育の後に採卵し、研究試料として用いた。これらを試料とし、胚発生過程を、主として外部形態の形成プロセスを記載するとともに、類縁性が示唆される近縁の昆虫種群と比較・検討した。結果、環太平洋地域に局所分布するガロアムシとの発生的共通形質が確認された。今後、これらの共通形質に関して、より詳細な検討を加え、共有派生形質としての評価を行ないたい。 同時に、共同研究として進めている形態・分類学的研究、生態学的研究、卵形成に関する研究、分子系統学的研究においても、知見の蓄積が進み、これらの多方面からのアプローチにおいても、やはりカカトアルキ目とガロアムシ目間での共通形質が認められた。また、今年度の現地調査において、また新たな未記載種も採集することができた。 これらの研究成果の一部に関しては、既に、学術誌上、あるいは学会、学会のシンポジウムなどでの公表を行なった。 また、昆虫類全体の系統や多様化を議論する上での鍵となる分類群・カゲロウ目昆虫における発生・系統学的研究においても、新たな知見を蓄積することができ、この内容に関しても、学術誌上において公表することができた。
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Research Products
(10 results)