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2005 Fiscal Year Annual Research Report

植物の環境適応力と系統進化-生態的に放散したヒルムシロ属における比較ゲノム解析-

Research Project

Project/Area Number 17770071
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

飯田 聡子  神戸大学, 遺伝子実験センター, 研究機関研究員 (60397817)

Keywords水生植物 / ヒルムシロ属 / 高温 / 熱ショックタンパク質 / 遺伝子発現
Research Abstract

水生植物は,真夏の渇水時や水底で発芽した植物が成長し水面に到達した時に空気中に曝されることがある.その際,水分条件や高温,強光等,複数の環境条件が,植物に対してストレスを与えていると考えられる.本年度の私の研究では,水生植物ヒルムシロ属近縁3種(ヒロハノエビモ,ガシャモク,ササバモ)において高温条件への応答性について,個体レベルと遺伝子発現レベルで比較解析した.個体レベルの解析では,室内水槽で35℃高温耐性実験を行った.また遺伝子発現レベルの解析では,高温耐性,浸透圧調整,ホルモン合成系,光合成に関連する分子種のデータベース登録情報をもとにオリゴプローブを設計し,それをのせたスライドを用いたアレイ解析を行った.得られた結果は以下のとおりである.
1.35℃高温培養条件において,ヒルムシロ属の近縁3種は高温耐性が段階的に異なった:ササバモは生育を続け,ガシャモクは生育を続けたがその速度は遅く,ヒロハノエビモは枯死した.
2.アレイ解析では分子量や細胞局在が異なる20種類のHsp遺伝子のうち,18種類が35℃高温処理1時間により遺伝子発現が増大した.一方,2種類のHsp遺伝子は,ヒロハノエビモやガシャモクでは発現が増大したが,ササバモでは発現が検出されなかった.
3.Hsp遺伝子には,高温処理時間とともに高い発現量が維持されるものと低下するものが存在した.このようなストレス処理の時間変化に伴う遺伝子発現パターンは,種によって異なっていた.
一般に,高温耐性とHsp遺伝子の発現は密接に関連している.これらヒルムシロ属3種における高温耐性の分化に関わるゲノムレベルの差異を明らかにするため,現在,cDNAライブラリーおよびゲノムDNAにおけるHsp遺伝子の存在や構造を解析している.

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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