2005 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の核内exosomeによって制御されるRNA分子種の同定と機構解析
Project/Area Number |
17770141
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (30273220)
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Keywords | RNA分解 / 細胞核 / RNAプロセシング / RNA干渉 / 核小体低分子RNA / スクレアーゼ |
Research Abstract |
Exosomeは、真核生物の核と細胞質のそれぞれに存在する約10種の3'->5'エクソヌクレアーゼからなるタンパク質複合体である。これまでのExosome機能解析は、主に酵母の変異体を用いて行われており、exosomeはrRNA, snRNA, snoRNAなどの安定RNAの前駆体プロセシング、さらには転写と共役したRNA品質管理、ゲノム上のスペーサー領域のnon-coding RNA分解、細胞質でのRNA分解制御など多岐に渡る機能を果たしている事が明らかになっている。一方、哺乳類細胞におけるexosome機能の研究はあまり報告例がなかった。哺乳類の核内では、スプライシングによる膨大な数のイントロンの除去など複雑なRNAプロセシング現象が行われており、核内Exosomeによる品質管理が重要な役割を果たしていることが考えられる。そこで哺乳類細胞の核内品質管理機構を解明する第一歩として、酵母で核内exosomeの特異的構成因子として知られているRrp6のヒトホモログ(hRrp6)の機能解析を行った。まずhRrp6に対する特異的な抗体の作製、siRNAによる哺乳類細胞内でのhRrp6の機能破壊条件の至適化を行った。さらに核内に存在する様々な安定RNAのプロセシングパターンを解析し、U3 snoRNAの3'プロセシングがhRrp6のRNAiノックダウンによって顕著に阻害されていることを見出した。さらに酵母には存在しないmicroRNAの前駆体のレベルが幾分上昇していることも新たに観察された。このことはhRrp6が哺乳類細胞核内において、いくつかのRNA種のプロセシング経路で重要な働きを果たしている事を示している。今後は、さらに他のRNA種についても解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)