2006 Fiscal Year Annual Research Report
真菌類由来アスコルビン酸類似体の動物における機能解明並びに生物学的利用
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17780103
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田井 章博 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (70284081)
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Keywords | アスコルビン酸類似体 / コラーゲン合成 / グルコシル化 / アシル化 / HPLC / ラジカル捕捉 |
Research Abstract |
アスコルビン酸(AA)は、壊血病を治療するビタミンとして良く知られており、この効果はコラーゲン合成の促進によるものと言われている。イソアスコルビン酸(IA)は、ペニシリウム属においてグルコースから生合成されるAAの5位エピマーであり、抗酸化剤として食品添加物に用いられている。しかし、IAの抗壊血病効果は、AAの1/20程度である。昨年度の研究でIAの2位をグルコシル化し、6位をアシル化した新規親油性安定型IA誘導体が、ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン合成促進作用をAAよりも低濃度で示すことが明らかとなった。親油性安定型IA誘導体は、細胞において代謝を受けるとアシル化IA、グルコシル化IA、IAとなるはずである。親油性安定型IA誘導体のコラーゲン合成促進作用発揮には細胞内でどのような代謝物となる必要があるのか明らかにするため、細胞内代謝物の同定が必要である。親油性安定型IA誘導体は非常に貴重であるので、量も多く性質の類似した親油性安定型AA誘導体とその代謝物をモデルとしてHPLC分析系の確立を行った。このような脂溶性から高極性物質の同時分析は非常に困難であるが、シアノプロピルカラムと溶離液として20mg/LのDTTを含むMeOH-リン酸バッファー(pH2.1)(65:35,v/v)を用いることですべての化合物を一斉分析することに成功した。コラーゲン合成促進作用の他にAAの作用として抗酸化作用が非常に有名である。そこで、AA類似体の抗酸化作用評価をするにあたり各種モデルラジカルとAA誘導体を用いて評価条件の検討を行った。その過程でAA誘導体がAAとは異なる反応機構で持続的で穏やかなラジカル捕捉反応をすることを見いだした。
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Research Products
(4 results)