2007 Fiscal Year Annual Research Report
真菌類由来アスコルビン酸類似体の動物における機能解明並びに生物学的利用
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17780103
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田井 章博 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70284081)
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Keywords | アスコルビン酸類似体 / アスコルビン酸誘導体 / グルコシル化 / HPLC / 抗酸化 / ラジカル捕捉 |
Research Abstract |
ビタミン C (アスコルビン酸、AA)は、抗酸化作用より食品の酸化防止剤、また多様な生理作用より食品、医薬品、化粧品として利用されている。ペニシリウム属が産生する AA の5位エピマーであるエリソルビン酸 (EA) も食品の酸化防止剤としてよく利用されている。一方、真菌類の内キノコ類は AA より炭素数が1つ少ないエリスロアスコルビン酸と6-デオキ AA、さらにそれらの配糖体を作ることが明らかとなっている。それぞれの化合物の生理作用と摂取量の相関を解析するためには、食品中含量を定量するHPLC分析系が必要であった。そこで、AA、AA-2-α-グルコシド(AA-2G) 、AA-2-β-グルコシド、EA を用いて分離条件の検討を行った。これら化合物は高極性物質であるため同時分析は非常に困難であるが、ジオールカラムと溶離液としてアセトニトリルー66.7 mM 酢酸アンモニウム (85:15, v/v)を用いることで食品中に存在するこれら化合物を定量分析することに成功した。 これまでプロビタミン C 剤は、代謝後の AA としての作用を期待されてきたためか、それ自身の作用についてほとんど研究されていなかった。我々は AA-2G を含む2-O-置換型AA 誘導体自身がフリーラジカル誘導性赤血球溶血反応を阻害することを見いだした。その保護作用は、AA と同等もしくはそれ以上であった。しかし、電子スピン共鳴装置を用いてラジカルとの反応性を直接検討した結果、飴誘導体の反応性は AA と比較して極めて弱いものであった。反応速度は遅いが、AA と異なったラジカル捕捉メカニズムで量論的に多くのラジカルを捕捉できることがこれら誘導体の強い溶血抑制活性の原因ではないかと考えている。
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Research Products
(5 results)