2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780140
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長谷川 益己 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (00372756)
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Keywords | 早生樹 / センダン / 音弾性 / 超音波 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
国産早生樹センダンの音弾性現象について以下の知見を得ることができた。 1.センダンの超音波伝播特性及び力学的性質:繊維,半径,接線の3方向の超音波縦波の音速を計測した。縦波音速は3方向で3900m/s(繊維),1900m/s(半径),1500m/s(接線)となり,繊維,半径,接線方向の順に大きい値を示した。また,半径方向に伝播させた超音波横波の音速も計測した。超音波横波の振動方向は繊維方向及び接線方向とした。繊維方向に振動させた横波音速は1700m/sとなり,接線方向に振動させた横波音速760m/sのおよそ2倍の値を示した。 2.センダンの力学的性質:センダンの強度試験,特に圧縮試験を行い,弾性率(平均値10.3GPa)および圧縮強度(平均値44MPa)を得た。 3.センダンの音弾性現象:センダンの繊維方向に圧縮力を加え,同時に応力軸と直交する方向(半径方向)に超音波縦波を伝播させて,シングアラウンド法により計測し,センダンの音弾性現象を検討した。縦波音速は負荷初期から圧縮応力の増加とともに増加し,ある応力レベルを越えると,減少に転じる傾向を示した。この増加から減少に転じる現象は木材特有の現象として,既往の研究でも報告されている。応力と音速の関係から音弾性定数を決定した。音弾性定数はひずみゲージ法のヤング率に相当し,音弾性法により応力測定を行う際に,非常に重要な定数である。センダンの音弾性定数は,これまでの木材の音弾性定数(例えば,ヒノキやベイヒバ)と同程度の値が得られた。つまりセンダンの音弾性定数は金属材料より大きく,応力に対して感度が良いことがわかり,センダン材の非破壊的な応力測定法として音弾性法を適用する可能性が示された。
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