2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790184
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
黒岡 尚徳 福井大学, 医学部, 助教授 (00293879)
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Keywords | bHLHタンパク質 / Idタンパク質ファミリー / Id2 / nuclear export signal / Id1 / green fluorescence protein |
Research Abstract |
転写因子bHLH(basic helix-loop helix)タンパク質の生理的機能抑制因子であり、哺乳類で4種類(Id1〜Id4)同定されているIdタンパク質ファミリーは、細胞の分化抑制と増殖促進活性を示し、実際に腫瘍化した細胞や種々のがん組織で転写レベル、及びタンパク質レベルでの発現の亢進が確認されている。また最近では分化の程度や、がんの悪性度によってIdタンパク質の細胞内局在が異なることが報告されており、その制御の重要性が予想されるが、分子機構については、これまであまりよくわかっていなかった。研究代表者は最近、Idファミリーの1つであるId2タンパク質が、核と細胞質の間を積極的に行き来するnucleo-cytoplasmic shuttling活性を持つことを見いだし、C末端領域に核外排出(nuclear export signal=NES)配列を同定した。また、Id1タンパク質もId2と同様の活性を持つものの、Id2とは異なる領域にNES配列があることを示した。そこで本研究では、GFP(green fluorescence protein)との融合タンパク質を用いた欠失体、及び点変異体を作成することにより、Id1タンパク質のNES配列の同定を行った。その結果、HLH領域とC末端領域の境界にId1タンパク質のNES配列があることが明らかになった。また、この配列をGFPに直接融合させても、NES配列として機能することがわかった。Id1とId2タンパク質は、同じ細胞や組織でも、種類によっては異なる局在を示し、生理活性も違う場合があることが報告されており、本研究は、その理由を解明する手がかりになると期待される。
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