2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病におけるMOCAのAPP分解促進効果と軸索再生の機序解明
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17790221
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
行方 和彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70392355)
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Keywords | MOCA / 神経変性疾患 / 神経栄養因子 / 神経再生 / 神経保護 |
Research Abstract |
MOCAは神経細胞特異的に発現し、Rac1を活性化する機能を有しているが、我々はMOCAの遺伝子導入により初代神経培養細胞の軸索伸長が促進されることを発見している。さらにMOCAはRhoGやElmoと複合体を形成し、細胞膜上でリン酸化されることによって活性化されていた。また、BDNFも軸索伸長を促進する効果があることが知られているが、BDNFはMOCAを活性化して神経軸索伸長を増強することが確認された。これらの結果から、複合体形成によるMOCAの活性化および軸索伸長促進効果はBDNFによって制御されている可能性が示唆された。以上の成果については現在投稿準備中である。また我々は、アポトーシスを誘導するタンパク質であるapoptosis signal-regulating kinase 1(ASK1)が網膜神経節細胞に強く発現することを明らかにした。さらにASK1遺伝子欠損マウスの虚血網膜では網膜神経節細胞死の著しい減少とともに、ASK下流のp38活性化の消失が認められた。同様にcaspase-3の活性化も著しく減少している事が判明した。これらの結果から網膜虚血における網膜神経節細胞死ではASK1/p38/caspase-3のシグナル伝達が重要であることが明らかになった。以上の成果は米国病理学会会誌であるAmerican Journal of Pathologyに掲載された。一方、我々は神経栄養因子であるNT-4/5遺伝子欠損マウスでは虚血による網膜神経節細胞の細胞死が野生型に比べて増加することを確認したことから、NT-4/5の高親和性受容体であるTrkBを介したシグナル伝達が神経細胞死の抑制に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。この成果は米国眼科学会会誌Investigative Ophthalmology & Visual Scienceに掲載された。
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Research Products
(6 results)