2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病におけるMOCAのAPP分解促進効果と軸索再生の機序解明
Project/Area Number |
17790221
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
行方 和彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70392355)
|
Keywords | MOCA / 軸索伸長 / 網膜神経節細胞 / 神経変成疾患 / 神経保護 |
Research Abstract |
MOCAは神経細胞特異的に発現しRac1を活性化する機能を有する。我々はMOCAが遺伝子導入された初代神経培養細胞では軸索伸長が促進されることを発見している。BDNFの投与によりMOCAが活性化されて細胞内局在変化を生じ、軸索伸長をより効果的に促進することも確認している。また、MOCAはGSK-3βと結合することによりGSK-3βの活性を抑制し、さらに軸索伸長を促進するといメカニズムが存在することも確認した。これらの結果については投稿準備中である。 網膜色素変性症は網膜における主要な遺伝性疾患であり、視細胞死に伴う視野狭窄および視視力低下が認められるが、その治療法は十分には確立されてない。このような視細細胞死の原因として以前からグルタミン酸毒性の関与が指摘されているが、視細胞におけるグルタミン酸受容体発現レベルは低いことから、その後の検討は十分に行われていない。そこでヒトの網膜色素変性症で遺伝子異常が確認されているcGMPホスポジエステラーゼに遺伝子変異をもつrdマウスを用いて、遺伝性の視細胞変性網膜におけるAMPA受容体の発現変化を検討した。rdマウス網膜におけるGluR1-4 mRNAの発現を調べたところ、GluR2以外は野生型マウスに比べ発現量が上昇していた。さらにそのsplicing variantの存在比率を定量した。野生型マウスでは幼若型(flip type)から成熟型(flop)に移行するところだが、rdマウス網膜では、特にGluR1において、成体型への移行が著しく抑制されていた。以上の結果はAMPA受容体のsubtype毎の特異性を示すとともに、視細胞変性網膜の可塑性を示唆するものであり、今後の網膜再生研究を考える上で重要な所見と考えられる。この成果は国際誌、Molecular Visionに掲載された。
|
Research Products
(3 results)