2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖修飾によるNotchシグナルの修飾とそのTリンパ球における役割
Project/Area Number |
17790322
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
九十九 伸一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10346596)
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Keywords | 分子生物学 / 細胞分化 / Tリンパ球 / 糖鎖修飾 |
Research Abstract |
1.Fringe遺伝子発現操作による、T/B細胞系譜決定への影響の解析 マウス胎仔肝細胞は血液幹細胞を含み、Deltaを発現したストローマ細胞(OP9Delta)上でT細胞に分化するが、Deltaの無い場合にはB細胞に分化する。この条件下において、Fringe遺伝子の発現をcDNA・RNAiの導入により変えた場合、どのような影響を受けるかを、細胞表面マーカーを指標として解析することを予定していた。これらの検討を行ったところ、Lunatic Fringeの過剰発現によりT細胞への分化が促進され、RNAiによってはその分化が抑制されることが示された。これらの結果から、幹細胞からT細胞への分化にはLunatic FringeによるDelta-Notchシグナルの増強が必要であることが示唆された。この結果について、論文を執筆し、現在投稿中である。 2.Fringe遺伝子発現操作による、成熟CD4Tリンパ球分化への影響の解析 3種類のFringeの発現ベクター、RNAiなどを、エレクトロポレーションによりマウス成熟Tリンパ球へ導入し、T細胞受容体と同時にDeltaあるいはJaggedの刺激を与える。数日培養後、それらのTリンパ球のサイトカイン産生能を、フローサイトメーター、ELISA等により測定し、これらをTh1/Th2分化の指標として、Fringe遺伝子発現の変化による影響を検討することを予定としていた。この解析を行ったところ、過剰発現によっては、Th1/Th2分化は全く影響を受けなかった。しかし、最近の報告により、NotchシグナルはT細胞活性化の最初の24時間に必要であることが示されている。
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