2006 Fiscal Year Annual Research Report
IL-27受容体およびIL-27がアレルギー性疾患の病態形成に果たす役割
Project/Area Number |
17790326
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮崎 義之 佐賀大学, 医学部, 助手 (40380779)
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Keywords | サイトカイン / サイトカイン受容体 / アレルギー性疾患 / ノックアウトマウス / 免疫療法 |
Research Abstract |
サイトカインは免疫制御を司り、自己免疫疾患やアレルギー性疾患の病態形成においても重要な役割を果たす。「WSX-1」は、インターロイキンー12受容体(IL-12R)ファミリーに属し、IL-27Rとして機能することが示されている。我々は、IL-27/IL-27R(WSX-1)が、「Th1分化の誘導」もしくは「炎症応答の抑制」と言う2つの異なる免疫制御に関わることを明らかにしており、本研究課題では、アレルギー性疾患の病態形成における役割を解析した。平成17年度は、気管支喘息や遅延型過敏反応などのモデル試験で、IL-27Rがそれらアレルギー性疾患の抑制に関わることを明らかにした。そこで平成18年度は、アレルギー性鼻炎についてさらに検討を進めた。WSX-1欠損マウスでは、抗原特異的lgEの血中レベルおよび頸部リンパ節のTh2サイトカイン産生に更新を認め、全身的所見についてはIL-27Rが抑制的に作用することが示唆された。しかし、抗原暴露に伴う鼻症状(くしゃみや鼻擦り行動)や鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)紬胞のサイトカイン産生などの局所応答はWSX-1欠損により軽減され、IL-27/IL-27Rが喘息と鼻炎で異なる病態制御を担うことが明らかとなった(ケモカイン藤生への影響など、機構解析を進めている)。また、喘息治療におけるIL-27の有効性を検証するために、IL-27を高発現するTgマウス(C57BL/6系)を用いてモデル試験を行ったが、喘息の症状が弱く、改善効果の判定が困難であった。現在、喘息モデルで汎用されるBALB/c系への戻し交配を行っている。さらに、IL-27Rによる炎症抑制機構を明らかにするために、炎症誘導に関わるIL-17について並行して解析を行う中で、IL-17がTrypanosoma cruzi原虫感染に対する効率的防御に働くことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)