2005 Fiscal Year Annual Research Report
Hartnup病原因遺伝子B^0AT1の上皮頂上膜移行を制御する結合蛋白質の解析
Project/Area Number |
17790560
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
平田 拓 杏林大学, 医学部, 助手 (60372918)
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Keywords | トランスポーター / アミノ酸 / 結合タンパク質 / 分子生物学 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
Hartnup病は、腎近位尿細管及び小腸上皮での中性アミノ酸の吸収が阻害される常染色体劣勢の遺伝性疾患であり、その原因遺伝子としてアミノ酸輸送系B^0の分子実体であるB^0-type amino acid transporter 1(B^0AT1)が関与することが報告されている(Kleta et al. Nat.Genet. 36(9), 999-1002, 2004 Sep.)。本年度、我々はこのB^0AT1の機能を制御している蛋白質を同定すべく、この輸送体に結合する蛋白質の同定及びその生理的機能の解析を行ってきた。B^0AT1のC末端領域をBaitとした酵母Two-hybrid法により、モーター蛋白質であるdynein複合体に結合するTctex-1の同定に成功した。実際にTctex-1のB^0AT1との関わりを調べるために、siRNAを用いたTctex-1のノックダウン実験により、MDCKII cellにおいてB^0AT1の頂端膜への移行が阻害されることを確認した。また、B^0AT1のC末端領域には、Tctex-1への結合部位と思われるコンセンサス配列が二つ存在するが、酵母Two-hybrid法によるpoint mutationを用いた解析により、二つ目のコンセンサス配列に結合することが分かった。現在、pull downや免疫沈降法などの生化学的手法を用いてこの結合の確認を行っている。同時に、Tctex-1以外の結合蛋白質を同定するべく、Affinity pull-down MS/MS法にて新たな結合蛋白質の探索を行っている。次年度では、Tctex-1を含めたB^0AT1への結合蛋白質の生理的意義を明らかにし、Hartnup病患者でのこれら結合蛋白質の変異の有無を調べ、病態への関与を調べる予定である。
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