2006 Fiscal Year Annual Research Report
TRPを介する血小板の容量性Ca^<2+>流入におけるCRPの作用
Project/Area Number |
17790658
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
丸茂 幹雄 Hyogo College of Medicine, 医学部, 講師 (40333950)
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Keywords | 血小板 / 容量性カルシウム流入 / CRP |
Research Abstract |
平成17年度の研究から血小板における容量性カルシウム流入をCRPが増強し、これに対応する血小板凝集もCRPにより亢進したことから、CRPが血小板機能の促進を介して、動脈硬化や血栓症の進展に関与する可能性が示唆された。そこで、平成18年度には、動脈硬化の重要なリスク要因である糖尿病を有する患者の血小板機能が血中CRPレベルと関連するか否かについてspearmanの順位相関を用いて検討した。同時にCRP以外の血中急性期反応物質であるシアル酸、アミロイドA蛋白(SAA)や凝固線溶系のマーカーについても検討した。尚、血小板機能の評価には血中PDMP(platelet-derived microparticle)を用いた。PDMPはin vivoでの血小板機能を反映するマーカーとして最近開発された。CRPはSAA(r=0.515,p<0.01))およびシアル酸(r=0.494,p<0.05)と有意な相関を示したが、PDMPとの間には有意な相関を認めなかった(r=-0.204)。一方、PDMPは他の急性期反応物質であるSAA(r=-0.077)およびシアル酸(-0.203)とも有意な相関を示さなかった。尚、SAAはフィブリノーゲン(r=0.454,p<0.05)およびα2・PI(r=0.565,p<0.01)との間で有意な相関を示し、シアル酸はフィブリノーゲン(r=0.435,p<0.05)との間で有意な相関を示した。以上の結果から、糖尿病患者においてCRPをはじめ、他の急性期反応物質の濃度はいずれも血中PDMP濃度とは関連を示さず、CRPが生体内での血小板の活性化を反映するとの結論は得られなかった。平成17年度におけるin vitro研究より血小板活性化とCRPの関連が示唆される事より、今後患者背景についてのサブ解析を含め対象者を広げてさらに検討する必要がある。
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