2005 Fiscal Year Annual Research Report
腸管GVHDにおけるTLRシグナルの役割とHGFによる抑制効果の検討
Project/Area Number |
17790659
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
黒岩 孝則 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (40399150)
|
Keywords | HGF / TLR / 造血幹細胞移植 / GVHD / 腸管 |
Research Abstract |
(目的)Toll like receptor(TLR)は病原微生物を認識しサイトカイン産生などの免疫応答により生体を病原微生物から護る監視を行っている。しかしTLRからの過剰なシグナルはサイトカイン過剰産生などにより組織障害をもたらす可能性がある。GVHDによる腸管障害におけるTLRの関与について明らかにするため、腸管におけるTLRの発現やTLR4欠損マウスを用いたGVHDを用いて解析した。(方法)9Gy照射ホストマウスにドナー由来骨髄細胞と脾細胞を移入しGVHDを誘導した。GVHDは生存率、病理組織学的解析、組織におけるサイトカインmRNAの発現にて解析した。腸管におけるTLRの発現は免疫染色にて解析した。(結果)1)GVHD誘導により腸管TLR4の発現は増強した。2)TLR4欠損マウスをホストとしてGVHDを誘導すると、コントロールマウスに比べ腸管GVHDが重篤で致死率が高かった。3)TLR欠損マウスはコントロールマウスに比べ腸管のIFN-γ,TNF-α mRNAの発現が強かったが、肝臓・脾臓においてはこれらの発現はコントロールマウスの方が強かった。4)TLR4欠損マウスをドナーとしてGVHDを誘導するとGVHDによる致死率はコントロールマウスに比べ低かった。(考察)造血幹細胞移植においてはホストのTLRは腸管GVHDの制御に重要な働きをしていることが明らかになった。一方ドナー由来のTLRはGVHD誘導に重要な働きをしていることも明らかになった。
|