2006 Fiscal Year Annual Research Report
核内レセプターPPARを介して脂質がアレルギー性炎症に与える役割と機序の解明
Project/Area Number |
17790666
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
植木 重治 帝京大学, 医学部, 助手 (60361234)
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Keywords | アレルギー / 好酸球 / PPAR / 核内受容体 / 脂肪酸 / アポトーシス |
Research Abstract |
1990年に発見された核内受容体、peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)は最近多彩な免疫調節機能を持っていることが報告されている。そこでまず、好酸球のPPARの発現を検討したところ、mRNA、蛋白レベルでPPARα・γを発現していることがわかった。 次にin vitroの検討から、PPARγのシグナルは、低濃度では好酸球のeotaxinに対する遊走にpriming効果を有しているが、高濃度では抑制することを明らかにした。このpriming効果は転写を介さず、直接eotaxinのシグナル経路のひとつであるカルシウムシグナルを増強することが示唆された。またIL-5により誘導される脱顆粒や活性化マーカーの発現を高濃度で抑制することがわかった。さらに、好酸球でのPPARγ発現はデキサメタゾン、テオフィリン、プロカテロールによりmRNA、蛋白レベルで増強されることも明らかになった。 一方、n-3脂肪酸であるdocosahexaenoic acid(DHA)では濃度・時間依存性にアポトーシスが誘導され、この傾向は形態的にも核の濃縮像などで確認された。作用経路を確認するためにPPARα・γのそれぞれのアンタゴニスト(MK866,GW9662)を用いたが、現在入手可能なこれらの試薬が好酸球にtoxicであったことから、アンタゴニストでの経路特定はできなかった。そこでPPARαの選択的なアゴニストGW7647を用いたところアポトーシスが誘導されたこと、PPARγの選択的アゴニストtroglitazoneは影響がないことから、DHAのアポトーシス誘導機序の一部にPPARαを介していることが示唆されたが、詳細な経路についてさらに検討中である。
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Research Products
(6 results)