2005 Fiscal Year Annual Research Report
22q11.2欠失症候群における末梢T細胞の解析-胸腺外分化T細胞の役割について
Project/Area Number |
17790708
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金谷 能明 九州大学, 大学・病院, 助手 (80398065)
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Keywords | 22q11.2欠失症候群 / DiGeorge症候群 / 免疫不全症 / 胸腺外分化 / サイトカイン / T-cell homeostasis / NKT細胞 / Foxp3 |
Research Abstract |
[目的]22q11.2欠失症候群におけるT細胞の動態と遺伝子発現を解析し、免疫異常と胸腺の役割について検討した。[対象]22q11.2欠失を有する部分DiGeorge症候群15例。年齢相応健常対照32例。患児の男女比は6:9。全例に心奇形、精神運動発達遅滞、胸腺低形成とリンパ球減少、7例に口蓋汎咽頭不全あり。1例以外重症感染なし。3例に抗核抗体陽性やIgG低値などの検査異常あるも自己免疫疾患の発症なし。[方法]抗CD3,CD4,CD8,CD8α,TCRγδ,Vα24抗体などで染色しEPICS-XLで解析。末梢血から単核球を分離し、磁気ビーズで高純度T細胞を分画し凍結。これからRNA抽出とcDNA合成し、IFNγ、IL-10、TGFβ、CTLA4とFoxp3のmRNAをABI PRISM 7700にて定量。[結果]患児のCD3^+,CD4^+T,αβT及びCD8αα^+細胞数は成人まで対照より少なくCD56^+細胞数は多かった。患児のT細胞とCD4^+T細胞の割合の変化は対照と同様であったが、数の減少は緩やかであった。γδT細胞は対照と差がなかった。健常者CD8αα^+細胞の割合は加齢で上昇し傾きは患児より大きかった。一方、患児Vα24^+細胞の数と割合は上昇しその傾きは対照より大きい傾向にあった。T細胞とCD8αα^+細胞数の相関は患者のみ、T細胞とVα24^+細胞数の相関は対照のみでみられた。6歳以上の患児T細胞のFoxp3発現のみ低下傾向にあったが、IFNγ,IL-10,TGFβ及びCTLA4の発現量は対照と差がなかった。[考察]患児のT細胞は胸腺非依存細胞を含む亜群と関連して緩徐に減少し、遺伝子発現は保たれ、T細胞の恒常性維持が示唆された。なお、この結果は現在投稿中で、血球貪食症候群を合併した症例のFoxp3発現と調節性T細胞に関して解析を継続中である。
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