2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚電気刺激法を用いたヒトにおけるかゆみ過敏モデルの確立
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17790765
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生駒 晃彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (10378614)
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Keywords | かゆみ / 痛み / かゆみ過敏 / 電気刺激 / C神経 |
Research Abstract |
この1年間において、公募した被験者延べ40名において、皮膚電気刺激をおこない、かゆみとかゆみ過敏発生の関係にっいて調査した。被験者の手関節の皮膚上に0.1mm×71mmのステンレス製電極を設置して、直流電流刺激を与えた。過去の実験と同様に、70%の被験者において、純粋なかゆみを生じることに成功した。かゆみの発生に必要な刺激パルスの波長は0.5ms以上であり、波長が長いほどかゆみが生じやすかった。長波長がかゆみ発生の必要条件であるのに対して、刺激頻度は、高いほどかゆみが強くはなったものの、どの頻度においても感覚の種類に変化は見られなかった。これらのことは、C神経の特徴に一致する。また、かゆみ過敏状態は、機械的刺激を加えて生じたかゆみの程度とその範囲で計測したが、その程度はともに誘発されたかゆみの強度に依存した。波長と刺激頻度は2ms、50Hzが、かゆみおよびかゆみ過敏の両者において最適であった。 この電気刺激誘発性のかゆみとかゆみ過敏に対する、他の刺激が与える影響も調べた。かゆみ刺激用の電極の1cm近位側に直径5mmの円形電極を設置して、200μs、100Hzの直流電流パルス刺激を30秒間与えた。被験者は軽い痛みを感じた。この痛み刺激の前後において、電気刺激誘発性のかゆみとかゆみ過敏の程度を比較した。その結果、同じ電流量で刺激を続けているにも関わらず、痛み刺激を与えた後では、かゆみは有意差を持って弱くしか生じなかった。また、かゆみ過敏の強さと範囲も同様に減弱した。したがって、かゆみ過敏の程度は、自覚的かゆみの程度に依存することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)