2005 Fiscal Year Annual Research Report
膵島移植における調節性T細胞による免疫寛容誘導に関する研究
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17790918
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
池本 哲也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20398019)
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Keywords | 調節性T細胞 / Foxp3 / 膵島移植 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
調節性T細胞は強力な免疫調節能をもち、移植免疫においてもその免疫寛容誘導能が注目されている。我々は、この細胞に着目し、膵島移植において同時同所性にドナー由来の調節性T細胞(CD4+CD25+Tcell enriched peripheral blood lymphocyte)を肝実質内に移植すると局所においてドナー特異的免疫寛容が得られることを報告した(J Med Invest.2004 Aug;51(3-4):178-85.)が、移植免疫におけるこの調節性T細胞の免疫学的機能は依然として未知な部分が多い。そこで膵島移植においてすでに確立した当モデルを用い、移植膵島がどのような免疫学的修飾を受けて拒絶から免れているのか、同時にレシピエント側の免疫応答につき免疫学的な解析を行い、移植免疫におけるCD4+CD25+Tcellの役割を明白することを目的とした研究を行っている。あらかじめ移入するCD25+T cell enriched T cellは調節性T細胞のマーカーとしてCD25抗体を使用しているが、CD25はリンパ球活性化のマーカーであり、発現したT細胞はActivate activityをもつのか、Regulate activityをもつのかを事前に判断できない。そこで、当該細胞について、調節性発現遺伝子と報告されているFoxp3を用いて、FACS解析により確認を行った。さらに、移植膵島の肝細胞との接触様式およびリンパ球浸潤様式を病理学的に確認した。これによれば、免疫寛容が得られた個体と得られなかった個体において、Foxp3+CD25+CD4+T細胞数(比率)に有意な差異は認められなかった。免疫寛容(移植片の生着延長効果が得られた個体)においては炎症細胞浸潤が有意に抑制されており、in vitroにおいて、Donor-derived CD25+T cell enriched T cellがrecipientの免疫系を何らかの機序でregulateしている可能性が組織学的に示された。
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