2005 Fiscal Year Annual Research Report
涙液安定性の向上を目的とした新しいマイボーム腺機能改善装置の開発
Project/Area Number |
17791256
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00348731)
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Keywords | ドライアイ / マイボーム腺機能不全 / 温熱療法 / 涙液油層 / 光学的干渉断層検査 |
Research Abstract |
【目的】マイボーム腺機能不全(以下MGD)では、脂質の分泌が低下することによる蒸発亢進型ドライアイになると言われている。温熱圧迫療法は固形化した脂質を融解し、MGDの治療に有効であるとされている。今回、ドライアイ症状を有するが、臨床所見上MGDを伴わない成人に対して、新しい温熱圧迫器具(BEM-III)を用いて、MGD以外のドライアイに対する温熱圧迫療法の臨床的有効性を評価した。【方法】対象はドライアイに関する愁訴を有する19例38眼(平均年齢33.4±6.9歳)である。新しい空気式温熱圧迫器具を5分間使用し、前後の変化を測定した。また、1日2回5分間を2週間、同様に使用し、自覚症状変化と他覚所見を検討した。そして、眼瞼・角膜温度、BUT、シルマーテスト、マイボーム腺梗塞の有無、涙液油層の厚み、ドライアイ症状、視力、眼圧、角膜染色所見、眼底所見を評価した。【結果】温熱圧迫療法にて、BUTは、3.9±2.4秒から6.6±1.9秒へと改善を認めた。また、2週間の使用により、3.9±2.4秒から5.9±2.5秒へと改善した。また、涙液油層の厚みは増加した。また、ドライアイ関連愁訴も多く改善した。【結論】温熱圧迫療法は、マイボーム腺脂質を融解させ、分泌を促すことにより、涙液油層を改善させる。涙液安定性をさせることは、MGDに限らず、ドライアイ治療に対し、有用であると考えられた。今回の成果をふまえ、より効率の良い条件の設定を検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)