2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791304
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 賀弥 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60363157)
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Keywords | 骨芽細胞 / 石灰化 / PKR / 転写因子 / STAT1 |
Research Abstract |
触媒ドメインを変異したPKR(K296R)のcDNAを導入し,定常的にPKRの酵素活性を欠失した骨芽細胞を樹立した。このような変異細胞株において以下の結果を得た。 1.骨芽細胞の石灰化におけるPKRの関与について (1)変異細胞株における一般的な骨基質タンパク(タイプIコラーゲン,アルカリフォスファターゼ,オステオポンチン,骨シアロタンパク)のmRNA発現が野生型細胞株に比べて抑制されていた。 (2)骨の分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ活性が,変異細胞株では野生型細胞株に比べて抑制されていた。 (3)変異細胞株はin vitroにおいて石灰化しなかった。 以上の結果より,PKRの酵素活性を阻害すると骨芽細胞の分化,石灰化が阻害されることが明らかになった。 2.Runx2,STAT1がPKRの石灰化抑制効果に及ぼす影響について (1)PKRの酵素活性を欠失した変異細胞株におけるRunx2転写活性は,野生株と比較して抑制されていた。 (2)培養初期の変異細胞株では,STAT1蛋白の発現が著しく亢進していた。 (3)変異細胞株においてSTAT1 RNAiを行い,STAT1蛋白の発現を抑制すると,抑制されていたRunx2転写活性は野生型細胞株と同程度まで回復した。 以上の結果より,PKRの骨形成調節機構には,石灰化必須因子Runx2や,骨形成における負の調節因子であるSTAT1が関与していることが明らかになった。またSTAT1 RNAiの結果より,骨形成調節経路において PKRがSTAT1の上流に位置している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)