2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791379
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西山 暁 東京医科歯科大学, 大学院歯学総合研究科, 助手 (40359675)
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Keywords | 顎関節症 / 多因子性 / Teeth Contacting Habit(TCH) / 咀嚼筋 / 組織酵素飽和度 / 筋の代謝 / 短縮歯列(SDA) |
Research Abstract |
顎関節症(以下TMD)は多因子性の疾患といわれ,今日まで様々な可能性の因子が報告されてきた.その因子の一つとして夜間のブラキシズムや日中の強い噛み締め(クレンチング)があげられる.しかし,最近になって,ブラキシズムやクレンチングといった大きな咬合力が働くような異常機能がなく,咬合状態にも特に問題が無いにもかかわらずTMD症状やTMD様症状を訴える患者に対し,さらに詳しく調べてみると,咬頭嵌合位で軽く上下歯列を接触させている癖がある場合が多いことから,上下の歯を絶えず接触させている習癖(Teeth Contacting Habit:以下TCH)とTMD症状との関連性が示唆されている.この考えはまだ新しく,疫学的な調査にとどまっており,TCHと顎関節症あるいは顎関節様症状との具体的な関連性を示す研究はあまり見あたらない.また,どの程度のカで上下の歯を接触させるとTCHでどこからがクレンチングであるのか,両者の境界も明確でなく,定量化されていないのが現状である.さらに,TCHの持続時間との関連についても不明である.そこで今回,様々な持続時間で弱い噛み締めを行わせ,その際の咀嚼筋(咬筋)の組織酸素飽和度を測定することにより,筋の代謝に及ぼす影響を調査することを企画した. また,近年欧米を中心とした短縮歯列(SDA)の概念が我が国にも紹介され,さまざまな議論がされているが決着を見るにはいたっていない.SDAとそうでない場合とで,TCHが行われた場合の影響もいまだ不明である. 今年度は,被験者(健常者)に対し,実際にさまざまな持続時間の弱い噛みしめを行わせた際の咬筋組織酸素飽和度を測定し,そのデータを収集,分析中である.また,SDA患者に関するデータ収集も同時に行った.
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