2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791379
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西山 暁 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 助教 (40359675)
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Keywords | 顎関節症 |
Research Abstract |
現在,顎関節症における多因子概念は世界的に認められていることから,さまさまな因子についての検討が行われている.その中で,睡眠時ブラキジズムや日中のクレンチングなどの過大な咬合力の影響についても数多く報告されてきた.本研究ではその中でも従来のクレンチングよりもさらに弱い力での咬合接触状態,すなわち上下歯列接触癖に着目し,弱いかみ締め強度における影響を検討することを目的としている.まず,有痛性顎関節症患者に対して行ったアンケート調査に基づくデータベースを用いて検討を行った結果,上下歯列接触癖の保有率が50〜70%であることが明らかになった.また,患者年代に関係なく保有していることも分かった.さらに,睡眠時ブラキシズムとの関連において,上下歯列接触癖保有者は睡眠時ブラキシズム発生確立が増加すること,ならびに,睡眠時ブラキシズムに伴うと予想される起床時症状(顎部の疲労感,開口困難等)も増加することが示唆されるに至った. これらの結果から,従来考えられてきたクレンチング強度よりもさらに弱いかみ締め強度であっても,顎口腔系にさまざまな影響を及ぼす可能性が明らかになった.現在,実際にこの弱いかみ締めの持続により咀嚼筋の疲労状況やそめ回復過程に及ぼす影響について計測中である. また,この上下歯列接触癖は顎関節症だけではなく,咬合違和感,長期にわたる義歯性疼痛,舌痛などにも影響していることが考えられ,これらの症状との関連性についても今後研究を続けてゆく予定である.
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Research Products
(3 results)