2005 Fiscal Year Annual Research Report
妊産婦とその出生児間のう蝕病原性菌の母子伝播に関する研究
Project/Area Number |
17791541
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
浅川 麻美 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20364383)
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Keywords | う蝕 / 母子伝播 / S.mutans |
Research Abstract |
本研究課題は、う蝕病原性細菌の母子伝播について、妊産婦と出生児間におけるメカニズムという蝕発生の予防法について検討するものである。 母子伝播のしくみを明らかにするために、まずはう蝕病原性細菌であるS.mutansの菌株が一口腔内に何種類存在するのかについて検討をおこなった。 対照は岩手医科大学歯科医療センター小児歯科外来に通院中の小児患者とし、対象の小児患者の口腔内よりプラークを採取して、試料として実験に供した。 試料は生理食塩水にて洗浄後、MSB寒天培地にて37℃嫌気下にて48時間培養した。培地にり形成されたコロニーを採取し、血液寒天培地にて純培養を行なった。それぞれの菌株について生化学的同定法を用い、S.mutans菌株であることを確認した。 同定したS.mutans菌株を、THB液体培地において37℃嫌気下にて24時間培養し、集菌、洗浄後、菌液を調整した。この菌液よりパルスフィールドゲル電気泳動装置(PFGE)にて解析を行うためのゲルブロックを手順に従って作成した。 パルスフィールドゲル電気泳動装置により、作成した試料の解析を行った。すなわち、作成したゲルブロックのPFGEによるバンドパターンを比較した結果、一口腔から検出されたバンドパターンが一致したものは1〜2種類であった。したがって、一個体あたり採取するS.mutans菌株は、5〜6株程度あれば一個体の口腔内を反映していると考えられ、個体間でのS.mutans菌株の比較を行なうのに十分な数であるのではないかと考えた。 今後は、この結果に基づいて母子間における伝播の頻度についてさらに検討を進めるともに、伝播の過程での予防法についても検討していく予定である。
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