2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神科疾患を有する患者の患者満足度に影響を与える因子の研究
Project/Area Number |
17791669
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 有紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10292616)
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Keywords | 精神科医療 / 精神科疾患 / 患者満足度 / 医療評価 |
Research Abstract |
医療に対する「患者満足度」という概念の重要性については近年多くの医療関係者が認めており、関心の高まっているテーマである。精神科領域でも患者に対する処遇の改善や環境の改善が熱心に行われており、また、退院促進活動と関連して効果的な医療の利用が促進されている現在、患者による精神科医療の評価は、今後さらに広く試みられる必要がある。そこで、精神科疾患を有する患者の患者満足度に影響を与える因子を明らかにするために、本研究の初年度にあたる平成17年度は、精神科の入院医療を利用したことのある者に対するインタビュー調査を実施した。 調査対象は、精神科の入院医療を利用したことのある者で、研究協力に同意した者である。調査対象者に次の対象者の候補となる者を紹介してもらう雪だるま式サンプリング等を用いながら研究への協力を依頼している。本研究ではインタビュー時に対象者から同意を得ることができた場合にはインタビュー内容を録音し、その音声を逐語録にしており、現在、継続的な比較分析を行っている途上である。 調査により、複数回の入院経験のある対象者では、その個人が経験した入院医療を比較して想起することにより、より具体的にどのような部分に満足、どのような部分に不満足という情報を得ている。今後、精神科入院医療に大いに不満を感じた者、大いに満足であった者など多様な対象者にインタビューし、それらの結果の比較から精神科医療に対する患者満足度に影響を与える因子を明らかにしていく。
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