2017 Fiscal Year Annual Research Report
Interlocking of Carbon Nanotubes by Nanoring for Structural Separation and Property Modification
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17F17034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOPEZ MORENO ALEJANDRO 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-07-26 – 2020-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノリング / 錯体 / 錯形成定数 / ピレン / ポルフィリン / 分子ピンセット / 分子ノギス |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノリングの合成に関しては、いろいろな角度から検討を行って来た。まず、1,6-ジアミノピレンに2当量のイソフタルアルデヒドがイミンで結合したジアルデヒドを合成した。これと 1,2-エチレンジアミンをテトラクロロエチレン溶媒中、単層カーボンナノチューブ(SWNT)存在下で反応させたところ、生成したナノリングが SWNT を被覆したと考えられる生成物が得られた。 一方、ピレンの 2,7 位に2分子の 3-臭化ピレンが6位で結合した化合物とピレン-2,7-ジボロネートとの鈴木カップリング反応を行ったところ、この場合においても、生成したナノリングが SWNT を被覆したと考えられる生成物が得られた。上記の反応生成物とともに、現在、それらの構造を解析しているところである。 以上の当初予定していた研究計画に加えて、ピレン誘導体とそれに基づくピンセット、あるいはノギス形分子を合成し、それらと SWNT との錯形成定数の決定を行った。化合物の合成に関しては、申請者のグループで従来から行われた合成手法に従っており、また、錯形成定数の決定に関しては、分担者の Alejandro LOPEZ MORENO がスペインで行なっていた手法に基づいている。決定された錯形成定数は、ピレンで 13 程度であったのに対し、ピンセット形分子では、錯形成定数が2桁大きくなり、さらに、ノギス形分子では3桁大きいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに A. Lopez-Moreno(分担者)と N. Komatsu(代表者)との共著論文が2報、発表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ナノリングと SWNT との錯体の構造解析を進める。さらに、 SWNT の有無によるナノリングの収率の違いから、SWNT のテンプレート効果について明らかにしたいと考えている。また、ポルフィリンとその誘導体、さらには、それに基づくピンセット、あるいはノギス形分子を合成し、それらと SWNT との錯形成定数の決定を行う。
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