2017 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of CO2-driven ocean acidification on seasonal reproduction in marine fish
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17F17107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉村 崇 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 教授 (40291413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUH YING-JEY 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-07-26 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋酸性化 / pH / 季節繁殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在地球規模で問題になっている地球温暖化は二酸化炭素が主要な温室効果ガスである。海においては、大気中に放出された二酸化炭素が海水に吸収されて引き起こされる「海洋酸性化」の問題が危惧されている。今後300年間で海水のpHは0.8から1.4も低下すると予想されており、海洋生物におよぼす影響の解明が課題である。 自然界に生息する多くの動物は環境が穏やかで、かつ食料が豊富に手に入る春から夏にかけて出産、産卵する「季節繁殖」という生存戦略をとっている。分担研究者はこれまで展開してきた硬骨魚類の酸塩基平行を制御するホルモンについての研究をさらに発展させ、魚類の季節繁殖におよぼす海洋酸性化の影響を明らかにすることを目的とした。 29年度は海洋メダカの季節応答を詳細に検討した。長日温暖条件下で飼育した海洋メダカを短日温暖条件に移したが、生殖腺の大きさはほとんど変わらず、海洋メダカは日照時間の変化に対してほとんど応答しないことが明らかになった。そこで、淡水のメダカで季節応答を検討したところ、生殖腺の大きさが明瞭に変化し、季節応答を示すことが確認されたため、現在淡水のメダカにおいて異なるpHが繁殖活動におよぼす影響について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度に海水に生息する海洋メダカを用いて、繁殖活動の季節性について検討したが、季節に対する応答が明瞭ではないことが明らかになった。これは、海洋メダカが熱帯(東南アジア)原産であることが原因であると考えられた。そこでより季節応答が明瞭な日本由来の淡水のメダカを使って実験を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
メダカは臨界日長とよばれる限界値の日照時間を超えると繁殖を開始する。淡水のメダカにおいて臨界日長にpHがおよぼす影響を検討する。また、pHの変化が季節繁殖を制御する遺伝子におよぼす影響を検討し、どのような作用機序でpHの変化が繁殖活動に影響をおよぼしているか明らかにする。
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Research Products
(1 results)