2018 Fiscal Year Annual Research Report
新規吸着材とアナモックスプロセス用いた廃棄物処分場浸出水処理システムの構築
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17F17375
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大橋 晶良 広島大学, 工学研究科, 教授 (70169035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOJIRI AMIN 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 浸出水 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃棄物処分場浸出水を処理するための省エネルギー型水処理システムを構築することを目標として、以下の三項目を実施した。 (1)微生物担体および吸着剤としての性能を有する汚泥燃料化物(Biochar)が入手できたため、汚泥燃料化物を微生物担体・吸着剤とした浸出水処理バイオリアクターの構築を行った。まず、Biocharの細孔径分布や比表面積を測定し、基本的物性を明らかにすることができた。次に吸着剤としての特性を把握するために吸着試験を行った。本研究で対象とするアンモニアおよび有機物(COD)に関するラングミュア型およびフロイントリッヒ型の吸着等温線を求めることが出来た。 (2)Biocharをアナモックス細菌の担体としたカラムリアクターを作成した。アナモックスバイオマスには研究室内で集積培養中のアナモックス細菌を用いた。植種前に微生物叢の解析を次世代シーケンサーにより把握した。 (3)まず有機物(COD)を含まない窒素含有模擬浸出水をカラムリアクターに通水させ、窒素負荷を変化させながら窒素除去性能を把握した。このとき、アナモックスバイオマスを植種しないBiocharのみのカラムリアクターを比較対象系として用意し、Biocharによる吸着除去特性も把握した。窒素除去性能として比較的高い最大除去速度(12 kgN/m3/day)を達成することができた。次に有機物(COD)を添加した場合の窒素除去性能を検討した。COD濃度が300 mg/Lを超えたあたりから窒素除去率の低下が見られた。しかしながら300 mg/LのCOD濃度は浸出水としては高濃度であるため、浸出水へアナモックス処理を適用する上では問題とならないことが明らかとなった。 今後はカラムリアクターの運転を継続し、Biocharによる吸着除去特性とBiochar表面へのアナモックス細菌の付着増殖特性についても検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究計画で掲げた3つの研究項目に関して、計画通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はカラムリアクターの運転を継続し、Biocharによる吸着除去特性とBiochar表面へのアナモックス細菌の付着増殖特性についても検討する。さらに実浸出水中に存在する重金属がアナモックス活性に及ぼす影響を調査する。
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