2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chinese Cross-border Consumption in Northeast Asia: Impact on Economy and Politics
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17F17739
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩下 明裕 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (20243876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PULFORD EDWARD 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 人類学 / 中国 / 北朝鮮 / 消費行動 / 北東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、フィールドワークのための予備調査を試みた。例えば、東京をはじめとする日本のいくつかの地点における中国人の消費行動の情報収集を行い、とくに旧暦に来日する中国人の消費行動を人類学的に追跡する用意を行った。本プロジェクトの成果の最大の特徴は、この人類学的な手法を用いることにある。北東アジアの国境地域は、ロシア人、中国人、北朝鮮人、少数民族などが交錯する場としてよく知られているが、消費行動という当該研究テーマにおいては多くが経済学的な統計処理による分析、あるいは企業アクターなどを注視した経営学的な解析、移民の移動に焦点をあてた社会学的な分析が主たるものであった。消費行動についてひとりひとりのきめ細かいフォローと彼らの有するフィジカルかつメンタルな実態を明らかにしようとするアプローチはこれまであまりなかったものである。 それと同時に並行して、本研究に関連する成果をまとめ、研究書あるいは査読付き雑誌などへの論文の投稿を試みるとともに、国外の国際シンポジウムや学会での報告を行った。投稿先については、Adam Cathcart, Christopher Green, Steven Denney (eds.) Decording the Sino-North Korean Borderlands及びModern Asian Studiesなどがある(後者は審査中)。また米国人類学会で「北東アジアにおける中国の台頭」という題目で報告も行った(2017年12月)。 国内については、2017年12月に九州大学で開催された国際シンポジウム「Between Asias: Inter-regional Spaces」のラウンドテーブル「Reconceputualising Interstitial Spaces and China」で本研究に関わる報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年11月から2018年3月という短い研究期間にもかかわらず、内外の国際会議で報告を行うとともに、論文などの貢献が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、フィールドワークを積み重ねるとともに、その成果を随時、内外の国際会議などで発信していく予定である。 フィールドワークとしては、5月には中国の延辺朝鮮人自治区で中国人消費者の行動についての現地調査、8月のロシア極東ハバロフスクでの同様の調査を実施する。 成果については、7月のAssociation for Borderlands Studies World Congress(ウィーン、ブタペスト)、中国杭州で9月に開催されるAssociation of Critical Heritage Studies Conference、11月のアメリカ人類学会大会(サンノゼ)、2019年3月のアジア研究学会大会(デンバー)などで、随時報告していく予定である。
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