2005 Fiscal Year Annual Research Report
光合成電子伝達系のダイナミクス:未知のネットワークの解明
Project/Area Number |
17GS0316
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿内 利治 九州大学, 農学研究院, 助教授 (70273852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 善親 九州大学, 農学研究院, 教授 (90087594)
津山 孝人 九州大学, 農学研究院, 助手 (10380552)
久堀 徹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40181094)
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Keywords | 光合成 / 電子伝達 / 葉緑体 / 明反応 / 環境ストレス / シロイヌナズナ / 遺伝学 / レドックス制御 |
Research Abstract |
本研究は光化学系Iサイクリック電子伝達の経路を解明することを一つの目的とする。高等植物の光化学系Iサイクリック電子伝達は、PGR5という機能未知のタンパク質に依存する経路とNDH複合体に依存する経路からなる。PGR5経路については電子伝達にかかわる遺伝子の情報がほとんどない。本年度は、シロイヌナズナのPGR5過剰発現体を作成し、その表現型を解析した。その結果、PGR5の量とサイクリック電子伝達活性に強い相関があることが明らかになった。この結果はPGR5がサイクリック電子伝達の活性化因子であることを示唆しており、電子伝達ネットワーク制御の新規で重要な因子である可能性が示された。一方、久堀のグループは、組換え体PGR5を抗原とし抗体を得、これを用いてPGR5の葉緑体内局在を明らかにした。また緑葉から精製したPGR5を用いて、PGR5N末端の決定を行った。さらにPGR5が結合するタンパク質の探索を行っている。 光化学系Iサイクリック電子伝達もう一つの経路はNDH複合体に依存する。NDH複合体は14のサブユニット遺伝子が解明されているが、電子供与体との結合サブユニットの同定には生化学的手法では限界がある。我々は遺伝学手法を用いて、NDH複合体の安定化に必須なCRR1、CRR6、CRR7の解析を行った。CRR7はNDH複合体の最も不安定な部分のサブユニットである可能性が示された。CRR1およびCRR6はNDH複合体の安定化に機能する新規のタンパク質であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)