2007 Fiscal Year Annual Research Report
成体脳神経幹細胞の活性化とニューロン新生:その制御機構の解明と可視化技術の開発
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17GS0317
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 Keio University, 医学部, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柚崎 通介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40365226)
宮脇 敦史 理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, チームリーダー(研究職) (80251445)
山嶋 哲盛 金沢大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60135077)
澤本 和延 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90282350)
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Keywords | 細胞・組織 / 神経科学 / 細胞周期 / 脳・神経 / 発生・分化 / 神経細胞新生 / 神経細胞移動 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
1)Tumor suppressorの性質を有するlet-7 miRNAにMusashi1が特異的に結合することをゲルシフト法により発見した。Musashi1がRISC複合体の一部であるArgonaute(Ago)と同一の複合体に存在するという知見と合わせると、let-7の生合成,processing,機能発現のいずれかにMusashi1が関わっている可能性が考えられる。let-7は、肺癌、乳癌の細胞でその機能体の発現が減弱されており、let-7とMusashi1の関与は癌発生とMusashi1を結ぶ可能性がある。 2)iPS細胞およびES細胞から神経細胞に分化誘導をかけた単離細胞が、活動電位や膜電位依存性電流を発生することをパッチクランプ法により証明し、正常神経機能を獲得していることを明らかにした。一方、機能的なシナプスを成熟脳において形成・維持する因子としてCbln1分子の解析を進めた。 3)神経系細胞の分化状態を可視化するために、Doublecortin/mPlum、Msi1/mPlum、HuB1/mPlum BACトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。更に、NKCC1/mPlum及びKCC2/Cerulean BACTgを現在作製中である。また、神経分化と細胞周期との関係を調べるために、細胞周期のステージによって発する蛍光色が変わる『Fucci』マウスを開発した。 4)脳の発達や機能維持のために重要な役割を果たしているとされるドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid;PUFA)受容体の一つであるG-protein coupled receptor 40(GPR40)がサル海馬歯状回の顆粒細胞下層の新生ニューロンをはじめ、神経幹細胞および血管内皮細胞、アストロサイトにおいて発現していることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)