2017 Fiscal Year Annual Research Report
次期学習指導要領の「地理総合」でのGISの授業モデルの提案
Project/Area Number |
17H00029
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Research Institution | 新潟県立新潟翠江高等学校 |
Principal Investigator |
山本 靖 新潟県立新潟翠江高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | GIS / 地理総合 / アクティブ・ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
高校の次期学習指導要領の新科目「地理総合(仮称)」の授業モデルを実際に地理Bの授業にて行った成果を日本デジタル教科書学会にて発表した。ほぼ研究計画書に沿った授業展開が実践でき満足している。まず、近隣の地形解析を行い学校の近隣の地形の様子をGISにより解析させ把握させた。平坦で農業には向いているが災害時には避難できる丘陵もないことが理解できた。次に国勢調査の結果に基づき、学校周辺の人口密度の空間的自己相関を検出させ、学校周辺は人口密度が低いことを理解させた。次に避難所の配置について、最近隣の避難所の検索とネットワークボロノイ図の結果が一致し、GISの便利さを実感させることができた。次に施設配置のモデルのp-median問題を紹介し、その有効性について考察させたところ人口に左右されて現実的ではないことが把握できた。また、車イスでの避難実験も行い、学校周辺は避難するには困難ではないが、道路幅がせまく避難時には混乱も予想されることが認識できた。GISのスキルは高校生でも飛躍的に向上することが立証できた。ネットワークボロノイについて他の事象への援用をイメージできるようになるなど、GISが考察のためのシンキングツールであることが実証された。課題としては避難所になった際の避難所の運営に関するワークショップの実施等が挙げられる。随時、討議や発問を取り入れアクティブ・ラーニングの手法を実践することができた。生徒達は今まで見たこともない傾斜方向や南向き斜面を目の当たりにし、タブレットでの生徒への授業に関するアンケートの結果ではGISは面白いと過半数の生徒が答え、授業が関心を喚起することができたことを表している。また、手の動きに不自由のある生徒もタブレットだと意欲的に活用できることがわかり大きな収穫の一つとなった。後期の農業GISの授業への良いステップとなった。この成果は一般社団法人日本教育情報化振興会2017年ICT夢コンテストで優良賞を受賞することとなった。さらに来年度、新潟県教育センターでの教員研修で講師を務める予定もある。
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Research Products
(3 results)