2017 Fiscal Year Annual Research Report
視覚から深める国語科の「フレームリーディング」の学習-教材文や子どものノートを提示
Project/Area Number |
17H00093
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Research Institution | 平塚市立みずほ小学校 |
Principal Investigator |
堤 智 平塚市立みずほ小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | フレームリーディング / ノート / ICT機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
文章を場面で区切らず, 文章全体に関わる学習課題を意図的に提示し, 文章の内容や構造を全体とらえる力を育てる「フレームリーディング」の実践を蓄積してきた。ICT機器を効果的に活用し, 子どもたちの読み取りを言葉だけではなく視覚からも伝え合うことを可能にすることで, 長い文章であっても子どもが思いや考えを進んで表現できる学習環境をつくることを研究の目的とした。 『大造じいさんとがん(東京書籍6年)』『やまなし(光村図書6年)』で教材文の全文を転記したプリントをノートに添付し、これに学習課題に関わる自分の考えを書き込むようにしてきた。子どもは, 液晶モニターで拡大掲示された自分のノートを使って読み取りを説明した。また教師は, 黒板に教材文をプロジェクターでマグネットスクリーン上に投影し, 子どもの発言のポイントを書き込んだ。「なぜ大造じいさんは残雪を撃たなかったのか」「『やまなし』の作品にはどんな色があるか」のような文章全体を読み取って考える学習課題についてICT機器を活用しながら実践した。「色」の提示はモニターがなければ実践はできなかった。子どもたちは「色」を示しながら熱心に伝え合っていた。 ICT機器の活用は言葉だけの伝え合いに苦手意識をもっている子どもに特に学習効果があった。文章を指し示すだけで自分の読み取りが説明でき, 友達の読み取りを聴覚と視覚で理解することができる。伝え合う場面が活性化された。また, 自分のノートをそのまま使うことができるので, 自分の考えを伝えやすいと感じた子どもも多かった。この研究を通して, ICT機器を活用することで伝え合う学習場面で大きな効果があることがわかった。今後は, さらに機器の効果的な活用の仕方や, 学習課題のあり方について検討していきたい。
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