2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00112
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Research Institution | 東京都立武蔵高等学校 |
Principal Investigator |
高橋 勝也 東京都立武蔵高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 金融経済教育 / 主体的な学び / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①経済学や教育学を専門とする研究者によるアドバイスから、シミュレーションを活用した「金融経済教育」の教材を開発する、②開発された教材によって授業を受けた子供たちの金融や経済に対する意識を変化させる、③教材によって主体的な学びへ導かれた生徒の思考力・判断力・表現力を向上させる、ことを目的にしたものである。 教材については、各方面の研究者と次のような連携を図り、開発した。経済学の研究者からは、ゲーム理論(囚人のジレンマ)について、教授を受けた。経済学における概念をどのように子供たちに噛み砕いて理解させるかを中心に学び、特に、思考力と判断力を育成することのできる理論と方法を得た。教育学の研究者からは、シミュレーションを活用する教育方法について、教授を受けた。シミュレーションは、子供たちに現実世界を構造化することで、今日の教育において求められる主体的な学びを効果的に進める教育的手法である。その方法論を多角的に吸収することができた。 開発教材によって、生徒たちはこれまで経験したことのないような社会システムを思考の中で構築して、彼らの社会認識を形成したと考えられる。よって、次の成果が見られた。①教材によって、子供たちにわかりやすい世界を提示して、興味・関心を引き出す。②授業を受ける子供たちは、シミュレーションを活用した教材において、自らの過去の経験にもとづく知識を動員して仮想の役割にもとづいて思考、行動する。③授業を受ける子供たちは実践者の助けを借りて授業をふりかえり、シミュレーションの世界で経験した事柄、その背景、またシミュレーション自体がどのように現代社会の諸課題と結びついているのか検討する。④授業を受ける生徒たちは現代社会の諸課題について、シミュレーションにおける体験活動を活かして、社会認識を形成し、公民としての必要な資質や能力, 態度を育成できた。
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Research Products
(1 results)