2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00114
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Research Institution | 三木町立白山小学校 |
Principal Investigator |
山下 隆章 三木町立白山小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 連帯 / 人権教育 / 部落史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人の生き方から学ぶことを中心にした「人権総合学習」に「連帯」という視点を加え再構成することを目的とした研究である。これまで、小学校6年生社会科での同和問題関連教材の発展的題材として①室町文化、②洋学のおこり、③社会運動の高まりで、人の生き方に迫らせ、自らを振り返らせるよう構成し、一定の成果を見た。 ①では作庭に携わった河原者「又四郎」の生き方を、「差別される家」ではなく、「神に通じ人の運命を左右する作庭の職能を持った家」ととらえ、人のために自らを律する又四郎の信条を考えさせた。②では、医学の発展は杉田玄白を取り巻く人々がネットワークで繋がることによるものととらえた。③では、当事者とともに差別の解消をめざす人々の信条や行動を見つめることにより、水平社創立宣言にある「人間を尊重することによって自らを解放」するという崇高な精神に迫らせようとした。 人権学習は、「個別課題から人権一般へ」「人権一般から個別課題へ」という2つのアプローチの仕方がある。そのため、「生活権獲得」という共通する課題解決に向けて、労働運動、農民運動、水平社運動が「連帯」する動きを教材化することにより、「差別解消の主体者」としての意識を持つことができるようにした。香川は、早くから農民運動が盛んであり、普通選挙では労農党4名を香川県会に送り込んだ。その指導的立場であり「連帯」を模索した前川正一を中心にした読み物資料を作り、授業を行った。 実践を通じて、児童は人のために自らを律する態度、自らを生かす具体的行動のありよう、人とつながること、課題解決のために協働することの大切さを感じとっており、意義のある研究であったと考える。 なお、香川における協和事業の動向については資料収集途中であり、教材化は今後の課題となった。
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Research Products
(3 results)