2017 Fiscal Year Annual Research Report
思考力・判断力・表現力と知識・技能の能力をともに育成する体育科の指導計画の開発
Project/Area Number |
17H00134
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中西 紘士 広島大学, 附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 体育科授業 / 改訂版ブルーム・タキゾノミー / 思考力・判断力・表現力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 次期学習指導要領の改訂で求められる「思考力・判断力・表現力」と「知識・技能」の能力をともに育成する体育科の指導計画を開発することである。 石井(2011)は「改訂版ブルーム・タキソノミー」(以降RBTとする)は, 知識と認知過程の二次元構造としてタキソノミーを再構築しており, 「知識次元」は四つの知識のタイプを具体から抽象という組織原理の下で, 「事実的知識」「概念的知識」「手続き的知識」「メタ認知的知識」の順に排列され, 「認知過程次元」は, 教育目標の行動的局面にあたり, 「記憶する」「理解する」「応用する」「分析する」「評価する」「創造する」という六つのカテゴリーが, 複雑性の原理によって排列されているとしている。この「知識次元」と「認知過程次元」のそれぞれが下位カテゴリーに分けられ, 階層的に排列され, 教育目標分類のための二次元図表が提示されている。石井(2011)は「特定の知識のタイプは特定の認知過程と結びつきやすい性質を持っており, RBTでは, 『事実的知識』は『記憶する』と, 『概念的知識』は『理解する』と, そして『手続的知識』は『応用する』と結びつきやすいことが指摘されている。」としている。つまり, 「思考力・判断力・表現力」を育むためには, この「知識次元」の深まりと「認知過程次元」の深まりの両面を視野に入れ, 知識を「記憶する」だけの学びではなく, 概念を「理解」したり, 学んだ知識や技能を「応用」したりする学習活動を単元計画の中に組み込む必要がある。このRBTの考え方に基づいた体育科の指導計画を作成し, 実際に児童が知識を修得し, 技能を高めていく過程で思考・判断・表現がどのようになされているのかについて, ワークシートの記述を分析することで検証した。 このような指導計画で授業を行うことで, 知識・技能の能力を高める中で思考力・判断力・表現力の能力も育成することが可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)