2017 Fiscal Year Annual Research Report
「ミュージッキング」の考え方による創作活動の授業開発
Project/Area Number |
17H00135
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中山 由美 お茶の水女子大学, 附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ミュージッキング / 創作活動 / 音楽授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ミュージッキングの考え方による創作活動(作品完成より行為に着目する)を展開すれば、一人ひとりが音楽的感性を働かせながら他者との協働が充実する授業展開となることを検証し、ミュージッキングの考え方による創作活動を提案することである。 ミュージッキングの考え方による創作活動では、楽譜を介在とせず、空間に流れる音を直接聴きながら感性や探究心、創造力を働かせて音を出しながらつくっていく。創作活動では、楽譜を書く行為が活動を委縮、停滞させ、単調な創作となる問題点がある。そこで本研究では、多機能タブレットの録音・録画アプリを活用した。タブレットによる録音・録画データは、音そのものを相互に共有できる利点がある他、活動の基となるコード進行音源作成にも活用できた。ミュージッキングの考え方による創作活動と即興表現の違いは、創作活動を何度も繰り返すため、再現性のある表現が可能な点である。本研究では、子どもたちがこれまでに経験し、習得してきた音楽的な情報・技能を積極的に活用する活動を設定した。そのため、演奏可能なリコーダー、キーボード、ギター、打楽器(鍵盤打楽器も含む)に加え、勤務校で活用している弦楽器(ヴァイオリン、三味線、三線、箏)さらに人声(言葉・歌詞づくり)を表現媒体とした。 検証授業では、①あらかじめ用意したコード進行の音源にのせて、感性を働かせながら自由に楽器で音を出す創作活動、②自ら選んだりつくったりしたコード進行の音源にのせて、自由に楽器で音を出す創作活動、③コード進行音源にのせて歌を創作する活動を実施した。本研究の大きな特徴は、発表形式を取らず、録画・録音データを共有した点である。創作する力とそれを人前で発表する力を分けてとらえ、ミュージッキングの考え方による、創作する活動そのものに主眼を置くことで、萎縮することなく創作活動に取り組むことができることがわかった。
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Research Products
(2 results)