2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00137
|
Research Institution | 猪名川町立白金小学校 |
Principal Investigator |
萩原 大河 猪名川町立白金小学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2017
|
Keywords | インクーシブ体育 / 小学校 / 指導体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害のある児童が通常学級で一緒に体育学習を行う「インクルーシブ体育(IPE)」の実施には、困難を抱いている教員がいる(山崎ほか、2006)。そのためにIPEの指導体制を考慮する必要がある。IPEの指導は、通常学級担任などの授業を主に担当する教員と、特別支援学級担任とが複数で指導することが一般的とされている。しかし、指導体制の違いによるIPEの授業成果の特徴は明らかにされていない。よって本研究は、小学校の体育授業を対象に指導体制によるIPEの授業成果の特徴を明らかにすることを目的とした。 本研究では2017年8月に質問紙調査を実施し、障害のある児童が通常学級で体育授業を行う傾向が高い(金山・土肥、2015)兵庫県下の小学校の通常学級および特別支援学級の担任を対象とした。有効回答数は、通常学級担任121名、特別支援学級担任117名であった。調査内容は、佐古(2006)の学校の組織化に関する質問項目をもとにIPEの指導体制10項目を設定した。また、山崎ほか(2009)の質問項目をもとに障害児が通常学級で学習することによるIPEの授業成果12項目を設定した。指導体制を分類するため項目をもとに混合分布モデルを施した。また、IPEの授業成果の要因を明らかにするため因子分析によって因子を抽出した。その後、各因子を指導体制毎に比較するため分散分析を施した。 障害のある児童の体育授業の実施形態について、主に通常学級での実施は94.2%であった。指導体制の分類の結果、「無意識」「個人指導」「複数指導」に分類された。授業成果の因子分析の結果、「インクルージョン」「授業のやりにくさ」「児童の不満」の因子が抽出された。分散分析ならびに多重比較の結果、インクルージョンは複数指導が他の指導体制より有意に良好であった。また児童の不満は、複数指導が他の指導体制より有意に低くかった。 よって、複数指導はIPEの教育成果が高く、不満が軽減される指導体制と認識されていることが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)