2017 Fiscal Year Annual Research Report
「データの分析」における多変数を扱った問題解決型の教材の開発と実践とその評価
Project/Area Number |
17H00162
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
増田 朋美 愛知教育大学, 附属高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 評価 / 問題解決型学習 / 統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
データから傾向を読み取り, それに基づいて課題を設定することや意思決定する統計的リテラシーはこれからの社会生活の中で必要な資質・能力である。平成30年2月に発表された次期学習指導要領案からもこれらの力を数学のみならず, すべての教科を通して育んでいこうという姿勢が示された。筆者はこれまで, 基礎的な知識・技能の習得とともに社会や生活の中でいきる統計的思考力の育成を目標に, 「データの分析」および「確率分布と統計的な推測」の独自教材を開発し実施してきた。一方これらの問題解決学習を実施する中で, その評価の仕方・在り方は常に課題としてあげられた。 そこで本研究では, 生徒がデータを分析して問題解決する複数教材で学ぶことを通して, (i)「より高次の思考や問題解決のプロセスを獲得できる」, また(ii)「それらの能力を構築する様相を明らかにできる」との仮説をもとに, 複数の問題解決型のデータ分析の教材を実施し, 生徒の成果物や学習の様相をさまざまな形で評価し比較した。 研究の成果は以下の2点である。 (1) 推定・検定の概念を使い「これはアヤメかカキツバタか」を判断する問題解決型の教材を開発し, それに取り組む生徒の学習レポートを作成したルーブリックを用いて評価した。評価は複数の教員で実施し, 比較し, 分析した。また「スポーツデータ解析コンペティション」に応募した生徒の作品は, ①生徒の自己評価, ②教員の評価, ③統計学を専門とした大学の先生方の評価の3つを比較し, 分析した。問題解決学習では, 経験や立場によって評価の観点の差異は大きく, 評価の観点を知ることによって, より高次の試行や問題解決のプロセスを獲得できることが明らかになった。 (2) 複数教材に取り組んだ生徒は, 段階的にその評価水準を向上させた。これらの教材に対峙する生徒の学習の様相は, 教材とともに一連の授業モデルとして学会等(日本数学教育学会, 統計教育の方法論ワークショップ)で提案した。
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Research Products
(4 results)