2017 Fiscal Year Annual Research Report
中学校と高等学校の連接において「深い学び」を実現する「生物と水環境」の教材開発
Project/Area Number |
17H00169
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 純一 広島大学, 附属高等学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2017
|
Keywords | アクティブ・ラーニング / 深い学び / 生物教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 本研究では, 中学校と高等学校の連接において生徒の「深い学び」を実現するため, アクティブ・ラーニング教材「生物と水環境」を開発し, 中学校第2分野及び高等学校生物基礎の授業に導入し, その効果を検証することを目的とした。 ○研究方法 まず, アクティブ・ラーニング教材「生物と水環境」の課題設定や内容構成等を検討し, 学習教材及び評価指標等の作成に取り組んだ。次に, 中学校第1学年(120名)を対象とした実践では, 単元「植物のくらしとなかま」及び単元「動物の生活と生物の進化」において, 観察・実験に加えてジグソー法やポートフォリオ等を活用した授業を展開した。また, 高等学校第1学年(200名)を対象とした実践では, 単元「生物の特徴」及び単元「生物の体内環境」において, 基礎的知識・概念, 観察・実験, パフォーマンス課題等を包括したパフォーマンステキストを用いた授業を展開した。さらに, 高等学校第2学年の課題研究において「コケ植物を用いた金属イオンの回収」をテーマとした研究活動に取り組ませた。 ○研究成果 中学校理科の実践においては, ポートフォリオの評価の結果から, 「生物の進化における水中から陸上への適応」について深く理解している生徒が約9割に達した。高等学校生物基礎の実践においては, パフォーマンステキストの評価の結果から, 「生物の共通性・多様性と環境との関係性」について深く理解している生徒が約7割に達した。また, それぞれの実践を通して, 「深い学び」を意図した教材によって生徒の主体的・対話的な学びも促進されることが分かり, 新学習指導要領で示された「主体的・対話的で深い学び」を目指した授業改善において一定の示唆を得ることができた。さらに, 高等学校の課題研究の取組を通じて, 新学習指導要領で実施される「理数探究」における「生物と水環境」をテーマとした探究活動の一例を提案することができた。
|