2017 Fiscal Year Annual Research Report
回路設計力とプログラミング的思考力の育成をねらう教育用マイコンボードの開発と実践
Project/Area Number |
17H00174
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Research Institution | 厚木市立荻野中学校 |
Principal Investigator |
尾﨑 誠 厚木市立荻野中学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 設計学習 / 教育用マイコンボード / 指導計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 2017年公示の中学校学習指導要領では, 生徒の技術的な問題解決能力を育む観点から, 設計の学習を通して, 電気回路や計測・制御システムを構想する力の育成が重視されている。本校の実態では, 計測・制御作品の設計において, エネルギー変換技術の題材で学習した電気回路の知識だけでは, 生徒のアイディアに見合う出力側の電気回路の設計が難しかった。そこで本研究では, 電気回路と計測・制御システムの両設計学習を円滑に接続する指導計画の構想と, 適合する教育用マイコンボードの開発を目的とした。 ○研究方法 指導計画の構想にあたり, 技術的課題の難易度を考慮して段階的に電気回路の設計力を高め, それが計測・制御作品の設計力につながるよう配慮した。次に, この指導計画に見合う教育用マイコンボードを開発した。マイコンには諸条件を考慮し, 英国Revolution Educations社がPICマイコンを使って開発したPICAXE-08M2を採用した。マイコンボードは, PICAXE-08M2と2回路C接点のリレー2個を組み合わせ, 生徒が構想した出力側の電気回路の電源スイッチと直流電源の極性切替を制御できるようにした。その後, 本校において授業実践及び模擬授業に取り組み, 構想した指導計画と開発した教育用マイコンボードの有効性について検証した。 ○研究成果 授業実践と生徒へのアンケート分析から, 電気回路を設計した後, スイッチや直流電源の極性切替を教育用マイコンボードのリレーに置換することによって, 動作や仕組みを理解しやすく, かつ設計の学習を円滑に接続できることが分かった。また, 教育用マイコンボードは, トランジスタを用いたスイッチング回路と対応させると理解しやすく, 計測・制御作品のアイディアを広げる学習に有効であった。一方, コンピュータ制御の有無による作品の違いが明確になる事例を準備することが課題となった。
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Research Products
(2 results)