2017 Fiscal Year Annual Research Report
資質・能力の育成と「科学の本質」の獲得に資する新しい初等理科カリキュラムの研究
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17H00182
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Research Institution | 広島市立中島小学校 |
Principal Investigator |
志田 正訓 広島市立中島小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 科学の本質 / Nature of Science / 小学校理科 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 研究代表者はこれまでの研究で, 小学校理科において育成するべき資質・能力を明らかにし, 「科学の本質」を取り入れたカリキュラムの開発を行ってきた。これらの特徴は, 科学・技術の振興に理解を示す市民性の育成に資するものである。今後は, これまで編成したカリキュラムを, アクティブ・ラーニングや科学的リテラシーの育成といったわが国の小学校理科教育の文脈により適合するものにするための精査が必要となる。そこで, 本研究では, 編成したカリキュラムに, 検討を加えて精査し, わが国の小学校理科教育の文脈に適合したものに改編することを目的とした。 ○研究方法 上記の目的のために, まずは, 「科学の本質」の概念規定を行った。その際には, 「科学の本質」に関する諸外国の研究者の知見を参考にした。次に, 主としてイギリスのカリキュラムを参考にして, 概念規定に基づいた「科学の本質」がどのようにカリキュラムに組み込まれているかについて, イギリスのカリキュラムの分析から明らかにすることを試みた。 ○研究成果 本研究の成果として, 次の点が挙げられる。 まずは, 「科学の本質」の概念規定がなされたことである。「科学の本質」は, 諸外国の研究者間で, 捉え方に違いがあり, 多様な議論が形成されている。そのような状況で, 単に諸外国の知見をうのみにするのではなく, わが国の小学校理科の状況を考慮した概念規定を行うことで, よりわが国の小学校理科の文脈に沿ったカリキュラムを編成することができた。 次に, 科学と社会との関連について学ぶために, 科学史を取り入れる必要性について言及できたことである。これまで小学校理科が大切にしてきた問題解決の過程に沿った授業展開を大切にしつつ, 科学史を取り入れた授業を展開することで, 科学と社会とのつながりをより一層明確になり, 学ぶことが可能になると考える。
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Research Products
(1 results)