2017 Fiscal Year Annual Research Report
論理的思考力育成を目指したInvestigationに基づく探究活動の実践的研究
Project/Area Number |
17H00184
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Research Institution | 埼玉県立蕨高等学校 |
Principal Investigator |
髙間 智子 埼玉県立蕨高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | イギリス科学教育 / 探究活動 / 高等学校生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的 イギリス科学教育におけるInvestigationの課題選択や指導上の特質を解明するとともに、言語活動を充実し、論理的思考力を育成する探究活動のあり方について、実践的実証的に解明することを目的とする。 2. 研究の方法 (1)Investigationの実践的特質について、思考力・判断力・表現力および論理的思考力の育成、探究活動の課題選択等に主眼をおき、先行研究、教材、実践事例等を調査・分析する。さらに、その特質を生かした探究活動を「生物基礎」で実践し、活動の映像・音声記録や生徒のレポートを分析する。 (2)調査・分析、実践を総括し、Investigationの特質とその可能性を解明するとともに、論理的思考力の育成を目指し、探究的な学習を実現する学習内容や探究活動の教材について考察する。 3. 研究結果 (1)Investigationでは、知識の整理、仮説、実験計画、実験、データの分析、考察といった一連の科学の方法をプロセスやスキルごとに体験させる授業や、段階化した評価基準を事前に生徒に示し活動が行われていることが特徴的である。また、教師はカリキュラムや授業計画とは別に、科学の方法の習得を意図した探究活動を計画し課題を選択していることや、レポート作成時の表現を科学的で論理的なものに改善するための支援も特徴的である。 (2)「生物基礎」において、Investigationの特質を鑑み、論理的な思考力・表現力の育成を意図した授業実践を行った。探究活動ごとに、意識すべきプロセスや習得を目指すスキルを明確にし、科学的な取組とするための留意点や評価のポイントとあわせて具体的に生徒に示した。結果として、特にグループワークやポスターセッション等、他者と関わり自己の考えを表出する探究活動において、科学的な思考に基づく表現や他者を意識した説明的な表現に深まりがみられた。
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