2017 Fiscal Year Annual Research Report
安全意識の統計学的解析に基づく外国人安全教育のためのwebラーニング教材の開発
Project/Area Number |
17H00238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
主原 愛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 安全教育 / 外国人 / webラーニング教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学で増加する外国人研究者・留学生の安全教育は喫緊の課題だが、その現状の検討は皆無で実態は明らかではない。本研究では外国人に対する安全教育教材のあり方を検討し具体的な教材開発を行った。 1. 外国人への安全教育教材のあり方の検討として、所属研究科で受入れる外国人数や国籍、教育内容等の調査を行った。外国人の約80%はアジア圏出身で、英語圏出身者は約5%に止まり、全言語への対応が非現実的なことから、言語に頼りすぎない画像や動画の活用の有効性が示された。また、教育機会などのリソースに関して、外国人向け講習会開催回数は全体の10%以下であること、不定期な転入には非対応なことが特徴として明らかとなり、需要に応じて開催可能な体制の構築が必要と考えられる。母国と日本での安全教育内容の調査から、火災や地震への対処法は未習率の高い事実が明らかとなり、日本人に常識的な事柄が外国人には必ずしも常識ではなく、それをカバーする教材開発の必要性が示唆された。 2. 上記1をふまえ、外国人が日本で研究活動する上では日本人と同等の教育コンテンツの習得が前提ではあるが、その理解を助けるような外国人向けの安全教育の構築が必要と考えられる。そこで、前述の検討で明らかとなった言語・教育リソース・多様なバックグラウンドに関する課題を解決すべく、言語によらない理解を促す映像・画像を活用し、不定期な転入の外国人に対してオンデマンド受講を可能にするwebラーニング教材の開発を行った。コンテンツとして日本人向け教材の背景や前提となる「日本ならでは」の事柄を主題とし、「規則やルール」「災害を含む自然環境」「緊急時の対応」「安全管理体制」を取り上げた。教材には、日本独自のやり方があることを知ること、自分の安全は能動的に学ぶこと、頼れる日本人を持つことを特徴として打ち出した。需要に応じてオンライン受講や座学受講で利用可能な教材となった。
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Research Products
(3 results)